抜け毛について学ぶ

びまん性脱毛症

びまん性脱毛症とは、頭部全体に起こる脱毛症です。部分的に見られるM型やO型の抜け毛とは異なり、「広範囲」「1ヵ所に限られてない」の脱毛が特徴です。

とくに女性の抜け毛に多く見られる症状で、抜け毛や髪質の変化で髪全体のボリュームが失われた状態を指します。初期症状として、「髪のボリュームが少なくなってきた」「分け目が目立つ」「髪がよく抜ける」髪が細くなった」などが挙げられます。

びまん性脱毛症を引き起こす原因はさまざまです。主に「加齢による髪質の変化」「FAGA(女性男性型脱毛)」「休止期脱毛症」「頭皮のトラブル」「牽引性脱毛症」が考えられます。原因を特定して適切な治療を行うことが大切です。

FAGA(女性男性型脱毛)

FAGAとは、女性特有の原因で引き起こされる女性の脱毛症です。もともとAGA（男性型脱毛症）という言葉があり、その女性版という意味でFAGAと名付けられました。以前までは加齢や何らかの理由で女性ホルモンの量が減り、男性ホルモンの影響を受けるようになったことが原因と考えられていましたが、現在は男性ホルモンの働きでは十分に説明できないことがわかり、FPHL（女性型脱毛症）とも呼ばれています。FAGAになると、頭頂部を中心に広い範囲で均等に毛の密度が下がる「びまん性脱毛症」の症状が多くみられるのが特徴です。

ひこう性脱毛症

ひこう性脱毛症とは、乾燥した細かいフケが毛穴をふさぐことで炎症を起こし、髪の毛の成長が阻害され、抜け毛が増えることです。頭皮の炎症によって、赤みやかゆみ、かさぶたも見られるようになります。大量のフケが出てしまうのは、頭皮の皮脂が不足し、乾燥しているのが原因です。乾燥した頭皮は免疫力が低下し、ターンオーバーが早くなり未成熟な頭皮が剥がれ落ちてしまいます。フケが気になり何度も洗髪をしたり、かゆみに耐え切れず頭を掻いてしまうとさらに頭皮環境が悪化してしまうので、注意しましょう。

円形脱毛症

円形脱毛症とは、円形や楕円形に脱毛する症状のことを指します。一か所のみの場合もあれば、酷い場合は複数できたり、それが広範囲に及んだりする場合もあります。一般的にストレスが原因と思われていますが、「出産」「ホルモンバランスの乱れ」といった女性ならではの原因や、「遺伝」「自己免疫疾患（甲状腺疾患や膠原病）」「アトピー性疾患」も主な原因として考えられています。

脂漏性脱毛症

脂漏性脱毛症とは、過剰な皮脂分泌によって頭皮に炎症、にきび、湿疹などができ、その結果、抜け毛が進行する脱毛症のことです。黄色くベトベトしたフケがよく見られるようになります。放置しておくと抜け毛がどんどん進行していくので、早めに対策を行いましょう。

牽引性脱毛症

牽引性脱毛症とは、生え際や髪の分け目などが部分的に薄くなる脱毛症のことです。女性に多いのが特徴で、同じ髪型をしたり、髪を結んだりする人に多く見られます。原因は、髪が強く引っ張られ続けられうことで、頭皮や毛根がダメージを受け、頭皮の血流が悪くなってしまうためです。

産後脱毛症

産後脱毛症とは、出産を機に一時的に抜け毛が増える症状のことです。出産後から抜け毛が始まり、3ヶ月～半年で抜け毛が最も多くなります。抜け毛のピーク時に症状が気になる方が多いようです。

女性ホルモンの「エストロゲン」「プロゲステロン」には、髪の健康を維持する働きがあることで知られています。エストロゲンには髪の成長を促す働きがあり、プロゲステロンには髪の成長を保持する働きがあります。
そのため、加齢やストレス、出産などでホルモンバランスが崩れ、「エストロゲン」「プロゲステロン」の量が減少してしまうと、抜け毛などを引き起こす可能があるのです。