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頭皮の痛みはどうして起こる?原因や痛みを和らげる方法、改善策を解説

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頭皮にピリピリ・チクチクとした痛みがある場合、傷や腫れだけでなく、皮膚炎や神経痛、帯状疱疹などが原因の可能性があります。さらに、放置することで薄毛や抜け毛の原因になっていることも最近では明らかになってきました。このコラムでは、頭皮の痛みの原因や痛みを和らげる方法、改善策について解説します。

  • 松沼 寛

    HIROSHI MATSUNUMA

    1998年03月
    名古屋大学医学部 卒業
    1998年04月
    岡崎市民病院 勤務
    2000年04月
    名古屋大学医学部付属病院 勤務
    2008年07月
    市立四日市病院 勤務
    2020年04月
    イースト駅前クリニック岡山院
    院長就任
    2022年05月
    イースト駅前クリニック女性外来院
    院長就任
    資格
    泌尿器科専門医
    所属学会
    日本泌尿器科学会

頭皮の痛みの原因

頭皮にはたくさんの神経があり、ちょっとした傷や炎症で痛みを感じます。頭皮の痛みは地肌表面に起きた傷や病変が原因で起こるものと、内部の神経が病気によって刺激されて起こるものがあり、さまざまな病気が潜んでいる可能性があるため、注意が必要です。また、ごくまれに動脈硬化など重大な病気が隠れていることもあるため、症状が繰り返し起こるときには脳神経外科など専門の病院に相談しましょう。

皮膚炎

細菌感染を起こしたり、皮脂や汚れが溜まっていたり、シャンプーやトリートメントなど合わない製品を使用したりすると皮膚炎を起こすことがあります。頭皮に痛みを伴う赤みかゆみただれなどの症状が特徴的です。「皮膚炎」と一口に言っても、原因や症状、治療方法はさまざまにあります。

頭皮神経痛

頭皮神経痛は頭皮の神経に何らかの刺激が加わり、神経が走行している領域に痛みを引き起こす病気です。原因は完全には解明されていませんが、長時間のパソコンスマホ操作などで首の周りの筋肉が硬くなり、頭皮の神経が刺激されることで痛みを生じます。頭皮がチクチク・キリキリ・ズキズキ痛むのが特徴的で、一日以内によくなることが多いのですが、繰り返し症状が現れることもあります。

帯状疱疹

帯状疱疹は水ぼうそうと同じウイルスが原因で起こる病気です。一度、水ぼうそうにかかると神経の中にウイルスが生涯潜り込み、体調を崩したり免疫力が低下したりすると神経に沿って痛みを伴う湿疹や水ぶくれができます。水ぼうそうのウイルスが、全身の神経のどこに潜んでいるかは一人ひとり異なります。頭皮の神経にウイルスが潜んでいると、頭皮に湿疹や水ぶくれができ、帯状疱疹を発症するため頭皮に痛みを感じるのです。

(※1)

外傷

頭皮に切り傷打撲などの怪我をすると、痛みを感じます。強くぶつけたために内出血たんこぶができると、直後は腫れてズキズキとした痛みを感じます。もし、頭皮が怪我をしたら、冷やしてから止血するなどの処置が必要です。打撲など外傷の原因によっては、脳にダメージを与えているケースもあるため、1日程度は頭痛や吐き気、その他の症状が現れないか注意する必要があります。

頭皮の痛みを一時的に和らげる方法

皮膚炎に伴う頭皮の痛みに対しては、皮膚科を受診し、塗り薬や内服薬で炎症や痛みを抑えることが効果的です。

頭皮神経痛に対しては、痛み止め筋肉のコリの緩和神経の炎症を抑える薬の服用、局所麻酔薬の皮下注射で一時的に症状を和らげられます。しかし、根本的な改善策にはなりませんので症状を繰り返してしまう可能性も。後述する改善策を参考に、頭皮の痛みを起こさない方法を取り入れましょう。

帯状疱疹による痛みには、痛みの強さに応じて複数の薬を使い分けます。痛み止め神経障害疼痛治療薬、時には神経ブロック注射などを行うことも。また、頭皮を刺激しないことも大切で、カイロお風呂でしっかり温まることで血行が良くなり、痛みが和らぐ可能性があります。

外傷による痛みには、患部を冷やすことが効果的です。がまんできない場合には痛み止めを内服するとよいでしょう。

頭皮に痛みを感じる場合の改善策

頭皮に痛みを感じる場合には、原因に応じた改善策を行うことが大切です。それぞれの対処法には、以下が挙げられます。

ヘアケア方法を見直す

頭皮の痛みの原因が、間違ったヘアケア方法であるケースも少なくありません。具体的には強い力でゴシゴシと頭皮をこすったり、汚れや皮脂が気になって何度もシャンプーしたり、肌質に合わないヘアケア製品を使用したりすると、皮膚に炎症を引き起こし、痛みの原因となることがあります。低刺激のヘアケア製品に変え、頭皮の乾燥を防ぐケア方法に変更すると頭皮の痛みを軽減できる可能性があります。

十分な睡眠時間を確保する

睡眠時間が不足すると、体力や病気に対する抵抗力が低下し、帯状疱疹や皮膚炎を発症しやすくなります。頭皮だけでなく、全身の健康のためにも質の良い、十分な睡眠時間を確保することで外部の刺激や細菌に強くなりましょう。また、充分に休息を取ることで、外傷も早く治ることが期待できます。

適度に運動する

肩こり冷えがあると頭皮に十分な血流を届けられず、痛みを引き起こすケースがあります。首や肩のマッサージ・ストレッチを適度に取り入れて血行を良くし、頭皮全体の血流を改善しましょう。ストレスも血流悪化につながる要因です。エクササイズ等で適度にストレスを発散させ、頭皮の痛みの原因を改善しましょう。

紫外線対策をする

紫外線は特に、生え際や分け目、つむじなど頭皮の日焼けを引き起こし、痛みの原因となります。頭皮環境が悪化すると、他の問題も引き起こしかねません。紫外線対策として、頭皮にスプレータイプの日焼け止めを吹きかけることをおすすめします。また、帽子日傘などで物理的に紫外線を防ぎましょう。

医療機関を受診する

頭皮に赤みや腫れ、ジュクジュク感を伴う痛みがある場合には、皮膚に炎症を起こしている可能性がありますので、皮膚科を受診しましょう。外傷や外傷後の頭皮の痛みの場合には、外科脳神経外科神経内科、肩こりや首こりが原因の場合には、整形外科が良いでしょう。どの科にかかったらいいかわからない場合には、内科総合診療科がおすすめです。

その他にも痛みを専門に治療する「痛み外来」や「ペインクリニック」も増えていますので、原因や症状に合わせた受診先を検討してください。

頭皮に痛みを感じたらまずは受診が先決

頭皮の痛みには怪我や皮膚炎などの表面的な病気だけではなく、神経の病気などが隠れている可能性があります。繰り返す症状や、長く続く頭皮の痛みに悩んでいる方は一度、医療機関を受診しましょう。

また、頭皮の痛みとともに薄毛、抜け毛が進むケースもあります。薄毛・抜け毛に気づいたら皮膚科に相談しましょう。

参考URL

※1)公益社団法人 日本皮膚科学会「ヘルペスと帯状疱疹」
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa5/q11.html

  • 松沼 寛

    HIROSHI MATSUNUMA

    1998年03月
    名古屋大学医学部 卒業
    1998年04月
    岡崎市民病院 勤務
    2000年04月
    名古屋大学医学部付属病院 勤務
    2008年07月
    市立四日市病院 勤務
    2020年04月
    イースト駅前クリニック岡山院
    院長就任
    2022年05月
    イースト駅前クリニック女性外来院
    院長就任
    資格
    泌尿器科専門医
    所属学会
    日本泌尿器科学会

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