ピルについて学ぶ
PMS(月経前症候群)とは?症状・原因・対策方法などを紹介
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松沼 寛
HIROSHI MATSUNUMA
- 1998年03月
- 名古屋大学医学部 卒業
- 1998年04月
- 岡崎市民病院 勤務
- 2000年04月
- 名古屋大学医学部付属病院 勤務
- 2008年07月
- 市立四日市病院 勤務
- 2020年04月
- イースト駅前クリニック岡山院
院長就任 - 2022年05月
- イースト駅前クリニック女性外来院
院長就任
- 資格
- 泌尿器科専門医
- 所属学会
- 日本泌尿器科学会
PMSとは
PMSとは、ホルモンバランスの変動によって月経の3~10日前から生じる精神的・身体的不調のことです。女性の9割はPMSを経験しているとされています。
重症な場合は日常生活に支障を来すほど強い症状が現れることも少なくありません。しかし、月経が始まると自然と症状が改善していくのが特徴です。
PMSの症状
PMSの代表的な症状 | |
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精神的症状 | 情緒不安定、イライラ、抑うつ、不安、ぼーっとする、怒りっぽい、集中できない、泣きたい など |
身体的症状 | お腹の張り・痛み、乳房の張り・痛み、むくみ、腰痛、眠気・不眠、食欲不振・過食、倦怠感、体重増加、肌あれ・ニキビ、肩こり、のぼせ(自律神経症状)、吐き気 など |
表に代表的例をあげましたが、実はPMSには200以上もの症状が見られるとされています。加えて、現れる症状や症状の強さは人それぞれ。月経周期ごとに異なる症状に襲われる方も少なくありません。
日本人女性は、7~8割の方が月経前に何らかの不快症状があるとされています。特にホルモンバランスの乱れが起きやすい思春期や更年期は症状が強く現れる傾向です。PMSの症状とうまく付き合いながらやり過ごしている方も多いですが、日常生活に支障を来すほどの強い症状が現れる方も5%ほどいるとされています。
また、PMSはストレスなどの影響を受けやすいもの。これまで軽度な症状のみだった方、ほとんど症状がなかった方もある日突然強いPMS症状に襲われることがありますので注意が必要です。
(※1)
PMSと間違えやすい症状
- ●月経困難症
- ●PMDD(月経前不快気分障害)
- ●更年期障害
- ●うつ病
PMSは精神的・身体的に様々な症状を引き起こします。そのため、異なる病気と診断されるケースが多いのも事実。特に、上表のように月経周期に関連する病気、精神的な不調を引き起こす病気と間違われやすいため注意が必要です。
中でも、PMDD(月経前不快気分障害)は「重症なPMS」と考えられています。重度な精神的症状が現れても「月経前はいつもこうだから…」と放置する方も少なくありません。しかし、PMDDはうつ病と並ぶ精神疾患の一つ。日常生活に支障を来し、それがさらに精神的症状を悪化させることもあります。軽く考えずに診察を受けるようにしましょう。
また、うつ病も月経前のホルモンバランスの急激な変化によって症状が悪化することがあるため注意が必要です。
PMSの原因
PMSの原因は実のところ、はっきり分かっていないのが現状です。
しかし、現在のところ女性ホルモンの分泌バランスが大きく変化することが主な原因との説が有力と考えられています。女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンの2種類があり、排卵期を過ぎると急激に分泌バランスが変化。ちょうどPMSの症状が現れる時期と一致しています。
このような急激なホルモン分泌の変動は脳内ホルモンや神経伝達物質に異常を引き起こす原因に。その結果、脳がホルモンバランスの変動にうまく対応できず、PMSの諸症状を引き起こすと考えられています。
他にも、ストレスや疲れ、遺伝、元々の性格、ビタミン不足などもPMSの原因の一つとして挙げられています。
(※1)
PMSの対策方法
毎月やってくる憂うつなPMSの症状、できるだけ和らげたいものですね。PMSの対策方法は大きく分けて「セルフケア」と「医療機関での治療」の2つ。それぞれどのような対策をすればよいのか詳しく見てみましょう。
セルフケア
PMSの症状はあるものの、病院に行くのは気が引けるという方はまずはセルフケアから。
PMSは女性ホルモンバランスの変動が主な原因と考えられていますが、ストレスや不規則な生活など好ましくない生活習慣も要因の一つです。女性ホルモンバランスの変動を避けることはできませんが、ストレスなどの要因を避けることでPMSの予防・改善を目指すことはできます。
また、PMSの症状は月経前に現れるため、どのような周期で襲ってくるのか把握しておくことも大切です。時期を予測することで症状が出そうな頃は予定を詰め込まない、できるだけ遠出を控える、などの対策をすることができます。そのためには、日ごろから基礎体温を測定する、月経の記録をつけるなど自身の性周期を知るようにしましょう。
(※1)
医療機関での治療
PMSの症状が重く、日常生活に支障が出るような方はセルフケアだけでは解決しないことも少なくありません。「性周期のことだから仕方ない」と放置せず、早めに医療機関で治療を受けるようにしましょう。
PMSの治療は基本的に女性ホルモンの変動を抑制する低用量ピルが用いられます。低用量ピルと言えば、避妊のためのものと思われがちですが、PMSや月経困難症など月経に関わるトラブルの症状を改善するのです。なお、妊娠を希望する場合は、低用量ピルは服用できません。ホルモンバランスを整える・心を落ち着かせるといった効果のある漢方薬が代用されることがあります。
また、特定の症状がひどい方には、それぞれの症状を改善するための薬も使用されます。具体的には頭痛に対する鎮痛薬、むくみに対する利尿剤、気分の変調に対する精神安定剤など。PMSに薬を使用することに抵抗がある方もいるかもしれません。しかし、PMSはれっきとした病気の一つ。辛いときは薬に頼って症状から解放されましょう。
(※1)
PMSは一人で悩まないでください
PMSは女性ホルモンバランスの変動などによって月経3~10日前から精神的・身体的な症状が現れる病気です。症状は多岐に渡り、ひどい方は日常生活に支障を来すことも。
もちろん、今回ご紹介したセルフケアで症状を緩和できることもあります。しかし、ひどい症状が続くときは薬の力を借りるのも一つの方法です。別の病気が潜んでいる可能性も否定できません。PMSの症状に悩んだときは婦人科などのクリニックを受診して適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
参考URL
※1)日本産婦人科学会「月経前症候群(premenstrual syndrome : PMS)」
http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=13#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A7%E3%81%AF%E6%9C%88%E7%B5%8C%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%8B,%E3%81%A8%E3%81%AE%E5%A0%B1%E5%91%8A%E3%82%82%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
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松沼 寛
HIROSHI MATSUNUMA
- 1998年03月
- 名古屋大学医学部 卒業
- 1998年04月
- 岡崎市民病院 勤務
- 2000年04月
- 名古屋大学医学部付属病院 勤務
- 2008年07月
- 市立四日市病院 勤務
- 2020年04月
- イースト駅前クリニック岡山院
院長就任 - 2022年05月
- イースト駅前クリニック女性外来院
院長就任
- 資格
- 泌尿器科専門医
- 所属学会
- 日本泌尿器科学会